【相撲部屋の定義】
相撲部屋は、日本相撲協会の公認を受けて大相撲の力士を養成する機関であり、力士が所属する各グループ、またその建物である。
相撲部屋には師匠と1名以上の力士(養成員を含む)である力士が所属し、弟子が居住する相撲の稽古場を備えた住居があることが必要である。
【相撲部屋の創設】
かつては年寄名跡を所有していること以外には特に条件は設けられていなかったが、近年相撲部屋の数が増え、所属力士が少ない部屋の経営が立ちいかなくなり閉鎖するケースなどが多くなったことなどから、2006年9月28日に年寄が部屋を新設できる条件を定めた規定が設けられた。以下のいずれかの条件を満たし、師匠の了承を受けることにより、引退後1年以上経過した後、理事会の承認を経て部屋を新設できる。
- 横綱もしくは大関
- 三役(関脇・小結)通算25場所以上
- 幕内通算60場所以上
なお、既存の部屋を継承する場合は、以下の条件のうちいずれか1つを満たすことが必要である。
- 幕内通算12場所以上
- 幕内、十両通算20場所以上
【相撲部屋の収入】
部屋の師匠(部屋持ち親方)には部屋の運営資金として以下の諸手当が支給される。
《力士養成費》
幕下以下の力士(力士養成員)1名につき、月額70,000円が支給される。
《相撲部屋維持費》
所属力士(関取、養成員とも)1名につき、各場所ごとに115,000円が支給される。
《稽古場維持費》
所属力士(関取、養成員とも)1名に付き、各場所ごとに45,000円が支給される。
《養成奨励金》
弟子が関取に昇進した場合、その地位に応じて支給される。
(金額は該当力士1人当たりの年額)
- 横綱…2,760,000円(1場所:460,000円)
- 大関…2,160,000円(1場所:360,000円)
- 三役…1,560,000円(1場所:260,000円)
- 平幕…1,260,000円(1場所:210,000円)
- 十両…1,140,000円(1場所:190,000円)
【部屋経営の現状】
相撲部屋の支出は、光熱費や弟子の食費、養成員への小遣いなど多岐にわたる。
上記の協会からの手当でも足りない分は師匠からの持ち出しや、部屋の後援会やタニマチ、スポンサーからの援助によって賄う。
現実として、弟子の人数が多く、関取も多く擁する部屋はともかく、関取のいない部屋や弟子の数が少ない部屋の台所事情は厳しいものと言える。
2016年11月場所現在相撲部屋は43あるが、実際弟子の数が少ない小規模な部屋も多い。
理想的な弟子の数は30人ともいわれており、今後師匠の停年が近づいた部屋を中心に淘汰が行われるのではないだろうか。